眠れぬ夜
　結局生きることにおいて保持していかねばならないのは誠実さではないかという単純な結論にがく然とする
　ことさら偽悪的になるつもりはないにしてもたったそれだけのことを導き出すにしてはあまりに多くの時間を失ってしまった
　もはや取り返しのつかぬ日々に対してそれだけしか示せぬとしたら空しくされた過去が僕を責めるだろう
　むろんそれだけではないことは分かっている
　だがそんな弱音を吐かずいられないほどに僕はあまりにも非力であり人間達は平気な顔をして流れていき僕にはどうしていいか分からない
　何ということだ何ということだ何ということだ