手紙
今日 君からの手紙が届いた
職場の皆にあてた手紙だけれど
君が出したのは僕にだ 僕だけにだ
むろん内容はあたりさわりなく
僕に関しては何も書かれているわけではないけれど
僕はそこから読みとる 君のメッセージを
君がいなくなってから世界はとても軽くなってしまった
一緒にいるときは妙に冷静だったのに
喪失感が君への執着を僕に示している
君はといえば 病気から回復した人のように
安らかな気持ちで新しい生活を始めている
もう僕とは会うことはないという事実を受け入れている
確かに君は僕をまだ愛してる
僕には分かる 君の手紙から
けれどそれが何になるだろう
僕は君への禁断症状のために徐々に蝕まれている
こんなはずではなかったのに
君に僕の気持ちが届いているだろうか
神秘的な何事も信じない僕だけど
君に伝えるすべは何もない僕だから
ただ祈るだけだ 僕達の未来を‥‥‥